「VR元年」という言葉があった。検索してみると、2016年がそう言われていたようだ。
2016年はなぜ「VR元年」と呼ばれているのか? - VR Journal
2016年はなぜ「VR元年」と呼ばれているのか? - VR Journal
しかしこんな記事もある。
真の”VR元年”は2018年?全てを変えた、Oculus神の一手とは? | 8vivid
真の”VR元年”は2018年?全てを変えた、Oculus神の一手とは? | 8vivid
でもやはり一般には話題になっていないように感じる。ポケモンGoのようなキラーアプリがない。
昨年末あたりからいくつかVRを体験してきて、VRは何に使うのが適切なのか考えさせられた。
- 2018/11/28 EDGEof xR & xR International Gathering × La French Tech
- 2019/1/12 《The Other in You》 in オープン・スペース 2018 イン・トランジション @ NTTインターコミュニケーションセンター
- 2019/1/12 《ZONE EATER》 in イン・ア・ゲームスケープ: ヴィデオ・ゲームの風景,リアリティ,物語,自我 @ NTTインターコミュニケーションセンター
EDGEof xR & xR International Gathering × La French Techの"xR"はeXtended Realityで、AR (Augmented Reality), VR (Virtual Reality) を包含する概念。このイベントはFrench Techとあるように在日フランス大使館が主催者の一翼を担っており、フランスのスタートアップがピッチセッションとデモを行った。
このうちSkyreal.incとVirtual Room.incのデモを体験した。Skyrealはロケットの部品を移動させたり、そこで新しい部品を空中に描いてそれを取り付けたりするもので、共同設計やトレーニングの支援になるという。Virtual Roomは仮想博物館で、博物館の内部が再現されている。ゲームセンター用の脱出ゲームも作っている。Skyreal.incはビジネス向け、Virtual Room.incはエンタテインメント向けということになる。他にビジネス向けとしてはVR会議 teemewのManzalab.incと、VR による外科手術トレーニングのVirtulisurg.incがある。
EDGEof xR & xR International Gathering × La French Tech では、事前のプログラムには乗っていなかったが、Enhanceの水口哲也氏 (というよりも「元セガの水口哲也氏」と言った方がわかりやすいか) のプレゼンがあった。これまでリリースしてきた、xR コンテンツ (2001 Rez、2011 Child of Eden @ TED Tokyo、2016 Rez infinite、2018 Tetris Effect、Ventなど) の振り返り。
さらに水口氏の話は、共感覚、カンジンスキー、バウハウスに発展する。ここらあたりはちょっと追いついて行けなくなっていたが、最後に語った「これまでは、現実世界を切り取ってきた。これからは現実世界との融合。21世紀は体験の時代。感動、心の豊かさ、多幸感の時代」という言葉はそうなのかと受け入れられた。
そういう意味で、水口氏が関わってきたエンタテインメント、アートへの応用は、彼にとっては自然な流れなんだと思う。最初に出した疑問「VRは何に使うのが適切なのか」の答えはここなのだろうか。
NTTインターコミュニケーションセンターへは《ZONE EATER》を体験しに行ったのだが、そこで別のVR作品《The Other in You》に出会った。《ZONE EATER》はある部屋にいる音楽を奏でたりスポーツをしていたりするキャラクターに憑依してその人のアクティビティを体験できる作品。一方の《The Other in You》は逆に表情のないキャラクターに憑依されるような作品だった。「体験」ではあったが、「感動、心の豊かさ、多幸感」は感じられなかったな。
もちろんアートなので実験的な側面が大きい。この実験の中からキラーアプリが出てくるのかもしれない。チームラボの一連の作品は、VRとはちょっと違うかもしれないが、もっとも近い位置にあるのではないか。
そうそう、一番大きな障壁はゴーグルだと思う。これ家でつける? 会社でつけて会議やる? ARはスマートフォンをかざしてという使い方があるが、VRもつけて違和感のないデバイスが必要だと思う。デバイスがいらないチームラボの方向性がその意味でも受け入れやすいと思われる。
結論がアートの方に進んでしまったので、本館の方で書いた方が良い題材だったかもしれませんね。
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