2019年4月21日日曜日

CXの時間軸 (CX DIVE 2019 その1)

4月17日、CX DIVE 2019 に参加した。オープニングセッション、キーノートセッション、クロージングセッション以外は2つのパラレルセッションで、以下のセッションに参加した。
  • 「テクノロジーにより進化するコミュニケーションとCXの未来」
  • 「当たり前を疑い、感動する体験を生み出す」
  • 「五感を刺激する演出から学ぶ」→ その3
  • 「スポーツとCXのこれから」→ その2
ここでは、「当たり前を疑い、感動する体験を生み出す」をまとめる。

登壇者は次の皆さん。米田氏のファシリテーションで話が進んだ。
  • 米津 雄介(THE株式会社 代表取締役/プロダクトマネージャー)
  • 米田 智彦(FINDERS創刊編集長/文筆家)
  • 木村 まさし(株式会社オールユアーズ 代表取締役)
  • 宮野 浩史(株式会社クリスプ 代表取締役/株式会社カチリ 代表取締役)
米津氏のTHE株式会社は、THEおわん、THE醤油さしなど、他のメーカーと協力してそのジャンルのど真ん中を目指して作る。ど真ん中というのは、今ある平均点ではなく、「本当はこうだったらいいな」ということ。例えばTHE醤油さしは、液だれしない醤油さし。また、東京と京都に直営店を持っている。自社製品だけでなく、もともとTHEといえる製品があるジャンルはそれを出す。

木村氏のオールユアーズは、クラウドファンディングで洋服を作り、売る会社。この会社のことは、Abeja SIX 2019 で、家入一真氏の話の中で事例として出てきた。木村氏は、お客様でなく共犯者と呼んでいる。これは分かりにくいかもしれないが、クラウドファンディングでお金を出すということは、その製品を世に出すことの決定権を握っているということだ。

宮野氏のクリスプは、カスタマイズできるサラダの専門店。アプリで注文できる。そしてそのアプリのプラットフォームを他のお店にも提供している。それによりお店が自分の注文サイトができる。

米田氏は、「共通していることは、プロダクトアウトであるということ」とまとめた。マーケティングリサーチでは出てこない、自分が本当に良いものを提供する。マーケティングリサーチでは、顧客が想像するものの平均値しか出てこないだろう。これはTHEが脱却しようとしているものだ。木村氏は「おしゃれは我慢」という考え方を変えたいという思いで製品を開発している。流行に流されない、ずっと着れるものを提案している。宮野氏は、季節メニューを出さず、常に同じメニューを出している。季節メニューがないと怖いと思っているだけではないか。お客様自身がカスタマイズできることは大きな強み。

このセッションで一番重要だと思ったのは、米田氏の「CXでは時間の軸が変わっているのではないか」ということであった。「CXとUX」でも書いたが、「(UX/CXは) 製品の使用前、使用中、使用後における体験全てを含む」ということで、使用中だけの問題ではない。

米津氏は長く使えるものの価値を重要視しているようで、「うれしいのは修理依頼」、「お客様にも長く使うか本当に必要か考えてもらう」と語った。これは購入前、購入時の体験だ。宮野氏は、「今は誰でもおいしいものを作ることができる。おいしいことは競争優位性ではない。お店の作りも同様だ。競争優位性は人。注文のやり取りはコンピューターでもできるので、お客様にかける一声が競争優位性を作る」と語った。これも購入時 (使用前) の体験だ。

木村氏は「うちは製品の体験がすべて。着て気持ちいい」と語ったが、これは違うのではないか。クラウドファンディングで購入を決めた人、初期ロットで完成度70%段階で買った人は「わしがオールユアーズ を育てた」と思っているだろうし、それもCXじゃないかと思う。このことをツイートしたら、木村氏から同意のリプライをいただいた。うれしい。

これは皆さんに共通することだが、コアなファンがついている。その人たちは直接使っている時だけでなくて、きっとそれ以外の時でも、会話やツイッターなどで他人に語りたくなっているし、実際に実行していると思う。そのこと自身が、製品やサービスへの愛を強めているだろう。そのためには愛される製品、サービスに注力する必要があるだろう。そしてそれを支えているのが、元に戻るが、作り手の思いが詰まったプロダクトアウトだ。

後のほうで「お客の期待を超える」という話題があった。これに関しては皆さん自信を持っているようで、特に米津氏の「たかが醤油さしを死ぬほど考えたりする人はいない。お客様より知っている。商品を作るときにめちゃくちゃ歴史を調べる」という発言に共感した。

CXを考える上で最も有益なセッションだったと思う。

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